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不動産の豆知識 その85
日本には古都といわれる地域がたくさんあり、21世紀のよのなかになったいまも古都に古民家や町屋といったものが存在する。
「日本の家は消耗品だとか、木と紙で出来ているとか言うけど」しばらくぶりに会った友人が熱く語る。
「消耗品みたいな家は、ここ数年のビルダーの建てる家のことで、実はとても素晴らしいんだよね」、彼女は数日間の休みを利用して日本の古都を旅してきたばかりだ。
「世界最古のログハウスと言われている正倉院もメンテナンスしながら現存しているし、白川郷の合掌造や古民家や、手を入れてやりさえすればとんでもなく長持ちする家を建ててるんだよね、昔の人は」「そういう意味では、町屋も次代に繋げたい貴重な遺産だ」冷たいカフェオレを啜りながらの熱い話は、まだまだ続く。
「古い町屋をリノベーションした家に泊まったんだけど、ホテルに泊まるのとは別の良さを思い知ってきたんだよ。
建物というのは結局その地方の生活だし、文化なんだよ」「えらい入れ込みようじゃないの」私が啜るのはミルクコーヒー。
「そのうち移住でもしそうな勢いだよ」これは冗談で言ったのだが、彼女は真顔で頷いたのだ。
「うん、そのつもり」はい?!「今すぐというわけにはいかないけど、住んで町屋の良さをアピールしたい」驚いている私を見つめながら、彼女は苦笑した。
「最近は若い人がお店を出したりしてるらしいんだけど、私にはまだこれをやりたい!が分からないの。
分かっているのは古民家や町屋が大好きで、残していきたいということと伝えていきたいということだけ」「私が泊まった町屋をリノベーションした建築事務所の人や、町屋で実際にビジネスを始めた人たちにも会えたから、とりあえずそれをまとめてブログにアップしていこうと考えているところ。
町屋に住んで、全国の古民家を訪ねて歩くというのもいいなあ」私は彼女が本当にそうするような気がした。
それも、そう遠くない未来に。